“健康パンの時代”到来!? 主婦が重視する健康管理から見えてきたパンづくりとは?

2011年01月01日

“健康パンの時代”到来!?

主婦の考える「健康」に注目

 

パン屋さんにとってもキーワードは「健康」

  
 油脂類の多いパンはカロリーの高い食品だとメディアで報道されることもあり、昨今の消費者に健康志向には向かない食品だと勘違いされがちだ。しかし、パンは野菜・果物など多くの食材と相性が良く、組み合わせやすいというメリットがある。この特性を活かして世の健康志向に応えるパンづくりも可能なはずだ。そして、日常食であるパンで健康をお客様に届けることができれば、パン屋さんは他の飲食店より価値ある存在になれるのではないだろうか。
 本題に入る前に、現在の日本人を取り巻く環境を一度整理しておきたい。高齢化社会、少子化、生活習慣病というキーワードがメディアに取り上げられる頻度は高い。またトクホ(特定保健用食品)や糖類・糖質ゼロの食品がヒットしていることからも、消費者の健康への関心の高さが伺える。それだけ、現代の日本人は健康に対して不安をもっているのかもしれない。
 例えば、生活習慣病の代表格である糖尿病。「糖尿病が強く疑われる者」は約950万人、「糖尿病の可能性を否定できない者」は約1100万人、両者を合わせると約2050万人と推計される(厚生労働省「平成24年 国民健康・栄養調査結果の概要」より)。日本の成人人口の5人に1人は糖尿病予備軍ということになる。
 こうした生活習慣病をはじめとする病気の予防と食事は切っても切れない。古くから「医食同源」と言われるとおり、医薬と同じように食は健康を支える最善の策。日常食を提供するパン屋さんには、健康を意識したパンづくりが今後求められる可能性が十分にあるだろう。
 
 

主婦のニーズが高いのは「健康的なパン」だった!
 

 主婦が「食べたいパン」の上位を見ると、スイーツ感覚のパンを好んでいることがわかる(左図参照)。しかし、僅差で「健康的なパン」が3位に入っていることから健康志向も伺える。また子どもや家族に「食べさせたいパン」では、「健康的なパン」が第1位にランクイン。
 さらに、各項目のパーセンテージをポイントにして合計すると、 トップは「健康的なパン」である。総合的に見ると、健康志向や健康管理がパンを選ぶ(買う)一つの基準になっていることは間違いないだろう。
 こうしたお客様のニーズから考えると、健康を意識したパンはパン屋さんにとって今後注目すべきカテゴリーと言えそうだ。次ページ以降では、主婦が重視する健康管理に応えるパンづくりを探りたい。また、糖尿病患者が食べられるパン「ナリッシュ」を開発した「ブレッドスタイル ソプラノ」の事例も紹介する。




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